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近年、技術の進歩や実施医院の増加に伴い、インプラントを選ぶ方が増えています。
しかし、中には「インプラントを勧めるのってお金儲け?」「いまいち信用できない」などと不安に感じている方も多いようです。
結論から言うと、インプラントを推奨しているか否かで、いい歯医者さんかどうかを見極めることはできません。
確かな知識と技術を持ち、本当に患者さんのことを思ってインプラントを第一選択としている歯医者さんがたくさんあるからです。
そこで今回は、インプラント治療を勧める理由や信頼できる歯医者さんの選び方について、分かりやすく解説します。
ネガティブなイメージを持たれやすいインプラント治療ですが、実はインプラントならではのメリットがたくさんあります。
まずは、歯科医がインプラント治療をおすすめする理由についてご紹介します。
インプラント治療の最大のメリットは、なんと言っても自分の歯と同じような感覚で噛めることです。
入れ歯にすると、どうしても慣れるまで時間がかかったり、食べ物が詰まりやすくなったりして「思いきり噛めない」と訴える人が珍しくありません。
しかし、インプラント治療であれば、もともと歯があった場所に、フィクスチャーと呼ばれる土台を直接埋め込み、そこに人工の歯を取り付ける形になるため、これまでと同じように噛むことができます。
また、インプラントの代表的な素材はチタンですが、このチタンは骨と結合しやすいという特性があります。
使っているうちにチタンが骨に固定されてくるため、強い力が加わっても破損することなく使い続けられるのです。
しっかりと噛むことは、脳の活性化にもつながります。
噛むことで脳全体の血流量が増え、脳機能や鬱症状の改善にも効果があるとされているのです。
これまでと同じように歯を使うためには、インプラント治療が最適と言えるでしょう。
インプラントが、何かの拍子に外れることは基本的にありません。
入れ歯の場合、メンテナンスがしやすいように、もともと簡単に取り外しができるように作られています。
それを気にして「以前のように笑えなくなった」「外食がしにくい」と悩んでいる人も少なくありません。
しかし、インプラントは取り外す必要がないため、そもそも自分で取り外すことができないように固定されているのです。
もちろん装着したまま寝ることができ、特別なメンテナンスも必要ありません。
これまでと同じような生活スタイル、同じようなケアで過ごすことができるのは、インプラントのメリットと言えるでしょう。
人工の歯であることに気付かれにくいことも、インプラントをおすすめする理由の1つです。
入れ歯だけでなく、保険診療内で差し歯を入れることができますが、銀歯が目立ってしまったり、あるいはその部分だけ色味が不自然になってしまうことが多々あります。
一方、インプラントの人工歯に多く使われるジルコニアは、自然な色味や質感を再現することができるため、天然の歯との違いがほとんど分かりません。
インプラントにすることで、より美しく自分の歯に馴染んだ歯を手に入れるコトができます。
インプラントは、もともと歯があった場所だけに治療を施すため、他の歯や歯茎に影響を与えません。
例えばブリッジや入れ歯を選択した場合、両隣の健康な歯を削る必要が出てきます。
歯を削らず、クラスプと呼ばれる金具を両脇の歯に引っ掛けて装着するタイプの入れ歯もありますが、そちらは土台となる歯を日常的に動かしてしまうことで、数年後にはその歯まで失ってしまいます。
すでに多くの歯が抜けてしまっている場合は入れ歯も視野に入れるべきですが、数本であれば少しでも健康な歯を残せるインプラントがおすすめです。
中には、インプラントを患者さんに勧めない歯医者さんもいます。
しかし「勧めない=信頼できる」ということでは決してないので、そこは知っておいてくださいね。
では、なぜ全ての歯医者さんがインプラントを推奨しないのか、その理由をご紹介します。
そもそもインプラント治療に関するカリキュラムが大学の授業に組み込まれたのは、ここ数年のことです。
そのため、インプラント治療に関する専門的な知識や確かな技術を持っている歯医者さんは、実際それほど多くありません。
インプラントを勧める以前に、そもそもインプラントの治療自体ができないという歯医者さんも多いのです。
一方で「インプラント専門医」を名乗っている歯科医の中には、実は数日間勉強会や講習に参加しただけ、という人も少なからず存在します。
とくに初診の場合は「専門医」「専用クリニック」などと謳われていると、一見実績が高く信頼できるようなイメージを持ちますが、ホームページなどで医師の学歴や経歴をしっかり確認した上で受診する方がいいでしょう。
インプラントの手術を行う際には、今の状態を調べるための十分な設備が必要になります。
中でもとくに重要視されているのが、歯科用のCTです。
これまではX線撮影(レントゲン写真)が主流でしたが、CTが普及したことで歯医者さんでも手軽に3次元の立体データを撮影できるようになりました。
血管や神経の位置、骨の厚さなどをデータ化してシミュレーションすることで、より確実な位置に、安全にインプラントを埋め込むことができるのです。
しかし、X線撮影ができる歯医者さんは多くありますが、CTまで完備した歯医者さんはまだまだ少ないのが現状です。
このように設備によって安全性が確立できないという理由で、インプラントを勧めない歯医者さんもいらっしゃる事をおぼえておきましょう。
あくまでも保険診療を第一選択としている歯医者さんも、インプラントを勧めない傾向にあります。
歯の治療は、他の科と比べると自由診療の対象となる治療が非常に多い分野で、インプラントもそこに含まれています。
しかし日本では、保険診療の範囲内の施術であっても一定水準が保たれており、十分な治療を受けることができます。
そのため「その範囲内でできることを」と考える歯医者さんも多いのです。
多くの歯科医院がある中で、どのように信頼できる歯医者さんを見つければいいのでしょうか。
ここでは、歯医者さんを選ぶ際のポイントについて詳しくご紹介します。
歯医者に限らず、どんな病院やクリニックであっても「検査や診断をしっかり行ってくれること」が大前提です。
何の検査もせずに診断名を付けたり、治療を始めるような病院は絶対に信用できません。
とくに歯に直接触れて治療を進めていく歯医者においては、事前の検査や正確な診断が必要不可欠です。
必要な検査を行い、患者さんに分かりやすく説明してくれる歯医者さんを選びましょう。
治療に際して「元気な歯は残しましょう。」と言ってくれる歯医者さんも信頼できるのではないでしょうか。
歯の治療には様々な方法がありますが、どんな治療を施したとしても、天然の歯に勝るものはありません。
口腔内を健康に保つには、残せる歯は残すというのが正しい治療の基本です。
歯医者さんによって判断基準が異なるため、一概に抜歯がよくないとは言い切れませんが、それも含めたいくつかの選択肢を提案してくれる歯医者さんを選ぶと安心です。
当然のことながら、どんな治療法にもメリットとデメリットがあります。
しかし、中にはいいところばかりを説明して、半ば強制的に患者さんに治療法を選択させる歯医者さんも存在します。
つまり「いい情報を教えてくれる=いい歯医者さん」とは言い切れないということです。
どんな治療においてもメリットとデメリットを説明し、患者さんが納得した上で治療してくれる歯医者さんを選ぶことが大切です。
インプラントが最善の治療法としながらも、他の選択肢を与えてくれる歯医者さんは信頼できると言えます。
歯を失った時は入れ歯・ブリッジ・インプラントの3種類、あるいは条件によって歯牙移植から選ぶのが一般的です。
歯医者さんによって得意・不得意があるため、必ず全てを説明してくれるとは限りませんが、あくまでも患者さんの意思を尊重してくれる歯医者さんだと安心して治療が受けられます。
いかがだったでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、インプラント治療のメリットや、いい歯医者さんの選び方について、ご理解いただけたと思います。
インプラント治療に不安を感じていた方も、少し安心されたのではないでしょうか。
しっかりとした知識や技術のもと正しいインプラント治療を受けることは、その先の人生にもきっといい影響を与えるはずです。
歯医者さん選びのポイントを押さえて、みなさんも信頼できる歯医者さんを見つけてくださいね。