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インプラントとは、歯を抜いたり失ったりした時にする治療方法で、歯に人工医療器材を埋め込む歯科治療を言います。
入れ歯やブリッジといった言葉を耳にする方も多いと思いますが、インプラントの歴史は1960年代よりもあとに一般的に利用され始め、日本では1983年から取り入れられています。近年では審美歯科治療の1つとして若い世代の方からもインプラントのご相談が増えています。
今回は、噛む力が自然の歯により近く、見た目の違和感がないインプラントの魅力をひも解いていきましょう。
インプラントに興味があっても、一体どのような治療なのか疑問に思っている方も多いでしょう。何となくのイメージしか知らない方のためにも、以下の解説を参考にしてください。
一般的にインプラントと聞くと、人工の歯をイメージする方が多いと思いますが、体内に埋め込む人工物全般を指します。初期のころは失敗例も多く報告されトラブルもありましたが、近年は医療技術の進歩によってインプラントを埋め込んだあと、満足で快適な生活を送れる方も多くなっているのも事実です。
それでは、インプラントのメリットとデメリットについても見ていきましょう。
歯は一生ものです。メリットばかりではなくデメリットもきちんと理解しておく必要があるので、治療方法の正確な理解と、あなたに合っているのかどうかの見極めも大事になります。
インプラント治療となると、気になるのはメリットですよね。それではまず、インプラント治療の4つのメリットからご紹介します。
順番に見ていきましょう。
インプラントの特徴として、見た目が自然で違和感がないと言われているため、夢の永久歯や第三の歯と例えられる場合があります。
入れ歯のように残っている歯に金属器具を装置する必要もないですし、ブリッジのように周囲に残っている歯を削る必要もありません。残っている歯を大事にケアしながら埋め込めるのが、インプラントの最大の強みです。
ブリッジは歯の隙や歯のない部分から空気がもれる場合があるので、発音がしにくくなる場合があります。
入れ歯は粘膜に重なるように作られるので、その部分によって滑舌が悪くなる場合があり、サ行とタ行を発音する際に困る方が多いとも報告を受けています。その点インプラント治療は、抜いた歯の歯根の代わりにインプラントと呼ばれる人工の歯根を埋め込む治療です。あごの骨と歯が一体化して自分の歯と同じような感覚で生活できるので、滑舌や発音にさほど影響が出ません。
インプラント治療は、1回入れてしまうと毎回取り外さなくても良いのもメリットの1つです。入れ歯だと、入れ歯の取り外しが面倒と思う方がいたり、人前であれば恥ずかしいと思ったりする方も多いでしょう。
その点インプラントだとほぼ天然の歯のように扱えるので、いつもの歯磨きと定期的なメインテナンスによって、いつまでも安心して付けておけます。さらに、年齢や体調によって歯茎や口も変化していきます。そんな時はパーツを変更し、その方の環境に合ったインプラントに変更できるのも利点です。
インプラントをすると天然の歯のようにナチュラルに馴染むので、しっかりと噛めるようになります。その理由は、インプラント素材にチタンが多く使用されているからです。
チタンは劣化しにくく耐久性に優れているので歯に適した素材と言えるでしょう。チタンの特徴として、金属の中でもアレルギーが起こりにくいと報告されています。ただ、チタンアレルギーや金属アレルギーの方は、インプラントを埋め込んだあとにアレルギー症状が出る可能性があるので治療前に担当医師に伝えておきましょう。骨と結合しやすいチタンだからこそ、強く噛んでもぐらつく心配もありません。その結果、美味しく楽しみながら食事をできるのです。
次に、知っておく必要のあるのがインプラント治療の4つのデメリットです。
それぞれについて詳しく解説します。
インプラントは自費診療で行います。外科手術扱いになるので、保険がききません。
入れ歯やブリッジは保険適応でインプラントと違うため、インプラントの相場値段を事前に把握しておく必要があります。ただ、先ほどもお伝えしましたが歯は一生ものです。実際保険適応であっても、入れ歯やブリッジは取り扱いによっては長持ちしないので作り直しのたびにお金がかかってしまいますよね。長期的に考えると、快適に過ごせる時間と値段を見比べて判断が必要になります。
インプラントを埋め込む際は外科手術で行います。手術は1回法と2回法があり、その名前の通り1回法は外科手術1回で終了、2回法は外科手術が2回で終了です。
麻酔を打つ手術のため、身体の調子が良くないとインプラントを埋め込めません。きちんとコンディションを整えておく必要があるでしょう。他にも、場合によっては歯肉移植などの治療もしなければならない場合もあります。外科手術をするので、出血したり痛みをともなったりする場合があるのも知っておきましょう。また、妊娠している方や薬を定期的に飲んでいる方は、事前に担当医師に相談してください。
インプラントはブリッジや入れ歯などの治療法に比べて、治療期間が長いのも知っておく必要があります。下記の通り、治療時間を簡単にまとめてみます。
治療全体で考えてみると、個人差はあるものの下あごで約半年以上、上あごで約1年以上は考えておくと良いでしょう。下あごは骨が頑丈でしっかりとしているため治療期間が短く、反対に上あごは柔らかいため下あごに比べて時間がかかってしまいます。
インプラントに限ったケースではありませんが、インプラントを埋め込んでから食べものが詰まるようになったとの報告もあります。その理由に人間の歯は、年齢と比例して少しずつ前に出てくる点が挙げられます。しかし、インプラントは固定されているので動きません。
つまり、動いた歯と動かない歯の間に隙間ができるため、食べものが詰まってしまうのです。
インプラント治療を受ける際、ただ治療を受けたいと思っていても最低限の条件があります。それは一体どのような条件なのでしょうか。
インプラント治療をする際に、どのような方が向いているのか気になる方も多いはずです。とくに大事な2つの条件を挙げてみました。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
インプラント治療は、土台となるあごの歯の骨量が十分でないとインプラントを埋め込めません。そのため、あごの歯の骨量が十分でない方は治療できない場合があります。
歯周病などの病気を患っている場合、インプラントを埋め込んでも寿命が短く長持ちしない可能性が高いです。歯周病がある方は先に歯周病を治療してからインプラント治療に入ります。
ここでは、インプラント治療に向いていない方の特徴をご案内します。
心当たりのある方は、カウンセリングや診察の際に歯科医師と相談しましょう。
骨に埋め込むインプラントはチタン製です。チタンアレルギーがある方、もしくは分からない方は事前に調べておく必要があります。
骨にインプラントを埋め込む際、十分なあごの骨がない方は治療が難しい場合があります。
喫煙者でとくにヘビースモーカーの方は、インプラントと骨がうまく結合しないこともあるのです。
インプラントは外科手術で行う治療のため、一般的には適していない場合が多いです。ただし、症状によっては可能な場合もあるのでぜひご相談ください。
インプラント以外の治療法は一体どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、3つの治療法をご紹介します。
1つずつ解説します。
インプラント以外にも入れ歯の選択肢もあります。
入れ歯は無くなった歯に入れる治療で、比較的リーズナブルに治療できます。また、治療期間が短めで仕上がるので、急いでいる方に向いている治療法です。
差し歯とは、歯の根っことなる歯根が残った際に土台とその上に被せものをする治療法です。
歯を失った時に、両隣の歯を削って歯の架け橋を作るようにするのがブリッジです。
いかがでしたでしょうか。インターネットの情報を読んでいても、歯の状態は一人一人違います。本記事の内容を参考に、あなたの歯の状態に合わせた治療法を検討してください。
当院では、実際にあなたの歯を診てからお悩みを一緒に解決し、あなたに合った治療方法でご案内させて頂きます。インプラント治療を受けたくても一人では不安と思っている方は、ぜひご相談ください。