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何らかの原因で、葉の根っこにあたる歯根の部分から歯を失ってしまった場合、インプラント治療が行われることがあります。
人工歯であるインプラントは天然の歯と同じように虫歯になるのか、という疑問が湧いてくるところですが、答えはNOです。
ただし、人工であるからこそ気をつけないといけない点があります。
そこで今回は、虫歯とインプラントの関係や正しいケアの方法などについてご紹介します。
まずは、虫歯になる原理とインプラントへの影響について解説します。
虫歯とは、簡単に言うと酸によって歯が溶かされてしまう病気です。
常在菌であるミュータンス菌は、口の中に入った砂糖の成分が入ることで活性化し、歯の周りに歯垢を作ります。
その歯垢の中で酸が産生され、歯を溶かす仕組みです。
はじめは歯の1番外側を覆うエナメル質から、さらに虫歯が進行すると象牙質まで届き、痛みを感じるようになるのです。
インプラントは、歯の根っことなる歯根から失ってしまった場合に用いられる治療法です。
穴の空いた場所にインプラント体を埋め込み、その上に人工の歯を取り付けて歯を作ります。
入れ歯やブリッジなどで歯を入れることもできますが、どうしても見た目に違和感があったり、強く噛み込むことができなかったりとデメリットが大きいものです。
インプラントであれば、周りの歯と見分けが付かないほど審美性が高く、天然の歯と同じように強く噛むこともできるので、多少費用が高くても希望する人が増えています。
結論から言うと、インプラントが虫歯になることはありません。
というのも、先にご紹介した通り、虫歯は酸によって歯が溶かされることで起こる病気です。
インプラントは人工の素材で作られ、中には神経も通っていないため虫歯にならないのです。
「インプラントは虫歯にならないから」とオーラルケアを怠ると、インプラント周囲炎になることがあります。
インプラントには天然の歯と同じように歯石や歯垢が付着するため、そこから炎症が起きると歯周病を発症します。
天然の歯は象牙質の周りを歯肉組織が守っていますが、インプラントにはそれがないため炎症を起こしやすく、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうこともあるため注意が必要です。
インプラントは正しいケアをすれば、長期間美しいまま保つことができます。
どのようなケアが必要なのか、おすすめグッズと合わせてご紹介します。
まずは、インプラントをした後の歯磨きのやり方について解説します。
手術後2週間ほどは、専用の歯ブラシを使用します。
通常の歯ブラシを使ってしまうと強い痛みを感じることがあるため、必ず専用のものを使って優しく丁寧に磨きましょう。
通常の歯磨きと同様、あまり力を入れすぎてはいけません。
鉛筆を持つようなイメージで歯ブラシを持つとちょうどいい力加減となり、歯茎が傷つくのを防ぐことができます。
また、インプラントの手術後は、歯茎が非常にデリケートな状態です。
強いうがいや辛い食事なども歯茎に刺激を与えてしまうことになるため、避けた方がいいでしょう。
インプラントのケアにおすすめのグッズがあります。
歯医者さんやドラッグストアなどで簡単に購入できるため、ぜひ使ってみてくださいね。
普段は磨きにくい歯と歯の間を掃除するためのブラシです。
インプラントは人工の歯ですが、天然の歯と同じように汚れが溜まり、そこから周囲炎を引き起こす恐れがあります。
絶対と言うわけではありませんが、できるだけ使用しましょう。
柄の先に毛束が1山だけ付いた特殊な歯ブラシです。
通常なら磨きにくい奥歯や、矯正装具の間などが磨きやすい構造になっています。
特定の歯だけを磨くこともできるので、少し面倒でも、最低限インプラントの周りだけには使用した方が安心です。
歯と歯肉の境目にある溝のことをポケットと呼びますが、そのポケットの深さを測るのに有効です。
通常のポケットは1〜2mm、それ以上の深さになると「歯周ポケット」となります。
深いほど歯周病が進行していることになるため、目安を知るためにも持っておくと便利です。
いかがだったでしょうか。
この記事を読んでいただくことで、インプラントの手術後に起こりうる症状や、ケア方法についてご理解いただけたと思います。
インプラント自体は虫歯になることはありませんが、ケアを怠ると周囲の組織に影響が及びます。
トラブルを避けるためにも、しっかりと歯磨きを行いましょう。